お知らせ

中勘助文学記念館開館20周年記念事業を開催いたします。

中勘助文学記念館開館20周年記念事業「縁の作家、中勘助 ~静岡の人々と共に~」

中勘助(明治18年~昭和40年)は夏目漱石完成チラシHPの推薦で自伝的小説「銀の匙【ぎんのさじ】」を『東京朝日新聞』に連載し、文壇での地位を築いた作家・詩人です。「銀の匙」執筆後は、「提婆達多【だいばだった】」等インド三部作の創作を通して小説家としての幅を広げつつ、雑誌『思想』(岩波書店)連載の「しづかな流」等、日常生活に取材した詩情溢れる日記体随筆作品で独自の世界を表現しています。

中勘助は、昭和18年10月~昭和23年4月まで静養のため、東京から静岡市へ移り、静岡市郊外の安倍郡服織村【あべぐんはとりむら】(現・静岡市葵区羽鳥)に様々な創作活動をしながら過ごしました。

来静前に東京で兄嫁・親友の娘・兄と立て続けに心の支えだった人々を亡くした中勘助には創作意欲がわかない時期もありましたが、静岡移住後には「鳥の物語」に収録された珠玉の童話「白鳥の話」等のほか、人生を振り返る内容の随筆、羽鳥の自然を詠んだ俳句や短歌、詩等も数多く発表する等、静岡移住後、中勘助文学は再生に向かったといっても過言ではありません。

この様な縁もあり、静岡市は当時中勘助が住んだ旧前田邸、杓子庵を整備し、中勘助が遺した作品や資料を収集しました。その後、氏の業績の顕彰の場として、また、様々な文化活動を通し、心のふれあいの場として活用されることを目的に平成7年度から「中勘助文学記念館」として開館しました。

中勘助生誕130年、没後50年、中勘助文学記念館開館20周年にあたる本年度、「中勘助文学記念館開館20周年記念事業」として、講演会、関連資料展示、トークイベントなど、戦時下・戦後の物資窮乏時代に、心を豊かにするような作品を書き続けた中勘助の創作の秘密や、静岡滞在期に執筆された作品の魅力に迫る8つの事業をお届けします。この機会にぜひ中勘助の魅力に触れてみてください。

 


中勘助文学記念館開館20周年記念事業「縁の作家、中勘助 ~静岡の人々と共に~」

【事業スケジュール】

平成27年

・6/21(日)朗読会「SPAC俳優の朗読で楽しむ中勘助」 終了

・6/28(日)講演会「『銀の匙』と奇跡の教室が教えてくれたもの」 終了

・9/5(土)講談師による怪談噺「秋の夜の怪談 中勘助文学記念館ではじめての講談」 終了

・10/28~11/18 毎週水曜日俳句講座「中勘助が愛した羽鳥の自然を詠む ~誰でもできる俳句講座~」終了

・11/8(日)トークイベント「“この1曲”をとことん語る ラヴェル:弦楽四重奏曲 ~中勘助のレコードコレクションから~終了

・11/28(土)講演会「物語はこうして生まれた~中勘助の『鳥の物語』と戦争詩~」終了
平成28年

・1/23(土)座談会「中勘助と羽鳥の生活」終了

・2/3(水)~2/18(木)展覧会「縁の作家、中勘助展~静岡の人々と共に~」

 

中勘助文学記念館開館20周年記念事業チラシ

中勘助文学記念館